解体工事が始まり、そろそろ終了という頃でした。

相方の兄弟から、夜遅く連絡が入り、

「お母さんが施設で転倒し、大腿骨を骨折したので手術になりました」

解体工事が終わる、まさにこのタイミングで?!

なぜ、よりによって今、こんなことが起きるの?

これは、解体工事をしてはいけなかったってこと?!

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

昔の私だったら、間違いなくそう考えて震えていたと思います。

いわゆる「バチが当たった」のだと。

「たたりや呪い」にするか否か


今の私には、「これは家を壊したせいだ」なんて理屈は一ミリも通用しません。

なぜなら、客観的に見れば「ただの偶然」でしかないことは、自分が一番よく分かっているからです。

驚くべきことに、夫をはじめ親族の誰一人として「解体工事のせいだ」なんて口にする人間はいませんでした。

皆、驚くほど現実的です。

実際、お義母さんを診てくださっているのは腕利きの主治医ですし、病院も有名で信頼のおける場所です。

もちろん手術は無事に終わり、先日さっそくお見舞いに行ってきました。

「まだベッドで伏せっているだろうな」という私達の予想をいい意味で裏切り、お義母さんは車椅子に乗って、元気に登場してきました。

あまりにシャンとした姿に、こちらが驚き、すっかり拍子抜けしてしまったほどでした。

全ては「○○○」に過ぎない


今の私にとって、これは「たたられ」でも「のろい」でもありません。現代的に言えば、単なるバイオリズムです。

物事が重なる時は重なる。

まさに「人間万事塞翁が馬」。

起きたことは起きたこととして受け止める。

それだけであり、「あれをしたから、こうなった」という繋ぎ合わせをすることは、きっぱりとやめました。

それはそれは、精神的に楽になりました。

幸せも不幸せも、実は予測できない。というお話

私は、「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」というお話が好きです。

一度は聞いたことがあるかもしれませんが、実はこんな「二転三転」するお話なんです。

1. 【不幸】 大事な馬が逃げ出した!
昔々、中国の国境近くにおじいさんが住んでいました。ある日、大事な馬が逃げてしまい、近所の人たちが「お気の毒に……」と慰めに来ました。
ところが、おじいさんは平然と言いました。
「これが幸運に変わるかもしれないよ」

2. 【幸福】 もっと立派な馬を連れて帰ってきた!
しばらくすると、逃げた馬が野生の立派な馬を連れて戻ってきました。みんなが「おめでとう!」と喜ぶと、おじいさんはまた言いました。
「これが災いになるかもしれないよ」

3. 【不幸】 息子が落馬して足を骨折した!
おじいさんの予感は的中。その新しい馬に乗っていた息子が、落馬して足を折ってしまいました。みんなが「なんてことだ……」と嘆くと、おじいさんはこう言いました。
「これが幸せに繋がるかもしれないよ」

4. 【幸福】 戦争が始まったけれど、命が助かった!
その後、大きな戦争が始まり、若者たちはみんな戦場へ連れて行かれました。けれど、息子は足の怪我のおかげで家に残ることができ、命が助かったのです。

このおじいさんのように考えてみたらどうでしょう?

起きた出来事そのものに「良い・悪い」を決めすぎない。

「最悪だ!」とパニックになるエネルギーがあるなら、それを「これからどうするか」という現実に使いたい。

未来のことは誰にも分かりません。

だからこそ、一喜一憂しすぎず、淡々と目の前のことを処理していく。

それが、今の私がたどり着いた、一番しなやかで強い生き方だと思っています。

これからのリハビリも、病院の方々をプロとして信頼し、全てをお任せしています。

「たたられてるの?」なんて怯えてお祓いに走るエネルギーがあるなら、更地になった後の申請のことや、お義母さんの今後のサポート、自分たちの老後などといった「現実」に知恵を絞りたい。

不穏な物語に逃げず、淡々と目の前の事実を処理していく。

それが、実家じまいという大きな節目を乗り越える、今の私のスタイルです。

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