実家の解体工事が無事に終わり、次なる大きな手続きだったのが「建物滅失登記」です。

建物滅失登記には「解体後1ヶ月以内に申請しなければならない」という法律の期限があります。

我が家の場合は、建物の名義人が「相方の祖父」のままになっており、その後名義変更をしないまま「相方の父」が亡くなっていたため、「数次相続(すうじそうぞく)」という初心者の私たちにはややこしいと思ってしまうケースでした。

県外にある物件ということもあり資料集めは少し大変ではありましたが、自分たちで動いた結果、無事に一発で受理されました。

今回は、我が家が実際にかかった費用の総額を公開します。

自分でやった数次相続の滅失登記、かかった総額は?

我が家のように、世代をまたぐ手続きを士業の先生に依頼すると、通常の手続きよりも費用が上がります。

ですが、自分たちで動いた結果、かかった実費は以下の通りです。

登記申請書、解体業者から送られてくる解体証明書・業者の印鑑証明書、登記簿や除籍謄本、原戸籍、戸籍謄本・住民票、Googleから取った地図などの資料代、原本還付してもらう為資料のコピー代、レターパックプラス(返送分も含む)の郵送代まで、すべてを合わせて

費用合計:約7,800円
(※純粋に建物滅失登記のみにかかった諸経費になります)

ちなみに、このような相続が関係していない通常のケースの場合、自分で申請すれば資料代だけで1,000円くらいでできる方もいるようです。

「数次相続」という壁

 

通常の建物滅失登記であれば、土地家屋調査士に依頼しても4〜6万円ほどが相場と言われています。

しかし、我が家の場合はその相場がまったく通用しませんでした。資料の量が変わってくるからです。

建物の名義人が「相方の祖父」のままになっており、その後名義変更をしないまま「相方の父」が亡くなったため、我が家のケースは「数次相続」という扱いになります。

ルートとしては、以下のようになります。

【祖父(名義人)】→【父(未登記のまま逝去)】→【相方(現在)】

祖父が亡くなったのが結構前で、お義父さんが亡くなったのが数年前。

この数次相続の繋がりを法務局に分かってもらうために、我が家では以下の書類を集める必要がありました。

祖父・義父の繋がりを証明するため: 「除籍謄本」や「改製原戸籍」

相方が相続人(孫)であることを証明するため: 「戸籍謄本」や「住民票」

今回は、義父が亡くなった時に作成してあった「法定相続情報一覧図」も一緒に添付しました。

ただ、ここで一つ問題が。

一覧図を作った当時から引っ越しをしており、現在の住所と変わってしまっていたのです。

「もしかして、一覧図から作り直さなきゃいけないの?」と不安になり、事前に作成元の法務局へ電話で確認してみたところ、

「引っ越しをしたからといって、一覧図を作り直す必要はありません。今の住所が分かる『住民票』を一緒に添付してもらえれば大丈夫です」とのことでした。

この事前の確認があったおかげで、余計な手間をかけることなく、戸籍謄本と住民票の添付だけで無事に一発で受理されました。やはり、分からないことは事前に直接聞いてみるものですね。

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このように世代をまたぐケースなどで、土地家屋調査士に依頼した場合の費用は上がり、一般的には十数万円(安くても8万円〜)が相場になるようです。

両親が健在だからこそ


お若いうちから、ご自身の実家の登記簿を取り寄せ、

・土地・家屋の所有者は誰なのか

・田畑などを持っていないか

・増築をして申請しているか

・古い抵当権は残っていないか

・名義が複数人になっていないか

・取り壊した時に滅失登記しているか

などを、一度確認しておくことは大切だと思います。

なぜなら、法律が改正され、2024年(令和6年)4月から「相続登記の義務化」が始まったからです。

これまでのように、「名義変更はややこしい」「費用がかかる」という理由だけで、長期間放置することが難しくなりました。

不動産を相続したと知った日から3年以内に、正当な理由なく相続登記をしなかった場合、過料(ペナルティ)が科される可能性もあります。

さらに、我が家のように時間が経てば経つほど、名義人がすでに亡くなり、何世代にもわたる「数次相続」になる可能性もあります。すると、

・関係する親族が増え、連絡を取るだけでも大変になる

・古い戸籍や除籍謄本を集める作業が、まるでパズルのようになる

といった、見えにくい負担が次々と増えていきます。

時間が経って、手続きが楽になることはほとんどありません。

「まだ親も元気だから」

「実家のことは、まだ先の話だから」

そう思っている期間は、案外あっという間です。

だからこそ、確認できる人が元気なうちに、まずは登記簿を取り寄せてみる。

その小さな確認が、将来の自分たちを助け、家族の歴史をスムーズにつなぐための、大きな一歩になるはずです。

実際、我が家では実家じまいが始まってから、

家の片付け、庭木の剪定や雑草の処理、そして解体工事だけでも数百万円単位の費用

がかかりました。

そこへさらに、登記手続きの費用も重なります。

もちろん、必要な手続きです。

ですが、どうせなら早いうちに整理し、少しでも負担を減らしたい。

近年はインフレの影響もあり、解体費用や人件費も上昇しています。

だからこそ私は、自分で登記簿を取り寄せ、不動産相続の状況を早めに確認しました。

その結果、建物滅失登記まで無事に終えることができ、約2年半かかった実家じまいにも一区切りをつけることができました。

お金以上でも、お金未満でもなく

今回は、少し大変でも自分たちで資料を揃え、建物滅失登記を申請しました。

結果として、申請は1回で無事に通り、最後まで終えることができました。

解体され、更地になった土地の写真と、法務局から届いた「登記完了証」を見ていると、「ようやくここまで来たんだ」という解放感に包まれます。

もちろん、10万円以上の費用を抑えられたことは、とても大きかったです。

実家じまいは、片付け、庭の管理、解体、各種手続きなど、本当に次から次へとお金がかかります。

だからこそ、「自分でできる部分は、自分でやってよかった」という気持ちは、今も強く残っています。

その一方で、単純に「節約できて得をした」という感覚だけでもありませんでした。

古い戸籍を集め、登記簿を確認し、わからないことを調べながら、一つずつ前に進めていく。

その過程は、自分たちの家族の歴史や、これから先のことを静かに見つめ直す時間でもあったように思います。

お金以上でも、お金未満でもなく。

大変だったからこそ、「きちんと終わらせることができた」というこの安心感を、これからも大切にしていきたいです。

もちろん、すべての人に自分で登記することをおすすめするわけではありません。

最初にも書きましたが、建物滅失登記には「解体後1ヶ月以内に申請しなければならない」という法律の期限があります。

ただでさえ古い戸籍を読み解くのは大変なのに、このタイムリミットがあるせいで、我が家も本当に急いで焦る羽目になりました。

もし、「仕事が忙しくて時間が取れない」「期限が迫って行き詰まってしまった」という場合は、無理せず最初から土地家屋調査士などのプロに依頼するのも賢い選択です。

プロに支払う費用は、単なる手続き代だけでなく、「期限内にやり切ってくれる確実な安心」と「時間・手間の節約」を買うための正当な対価なのだと、自分で動いたからこそ身に染みて分かりました。

「自分でやる」にせよ、「プロに頼む」にせよ、元気なうちから現状を知り、一歩を踏み出すこと自体に一番の価値があるのだと思います。

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