【空き家を放置するリスク】正直甘く見てました
「空き家を放っておくと、後から大変なことになる」…そんな話は、前から分かっていました。
だからといって、すぐに動けたかというと、そう簡単には行かないわけです。
義実家のこととなると、家族や親戚のこともあり、嫁の立場の私が思ったように話を進められない。
気がつけば、空き家になった家を維持するだけで、少しずつお金と手間がかかり続ける状態になっていました。
ですが、改めて空き家に関する制度やリスクを調べてみると、“放っておく”という選択にもリスクがつきまとうという現実が見えてきました。
「とりあえず管理」も楽じゃない

わが家では、家が空き家になってすぐ、思い切って業者さんに依頼して家の中をすべて空っぽにしました。
さらに庭木や雑草も、ご近所の迷惑にならないように、年に2回はシルバー人材センターさんに草刈りをお願いして、きれいな状態を保つようにしてきました。
今回あらためて空き家のリスクを知り、管理を続けるよりも、早めに取り壊す方向で動くことに決めました。
ちなみに、義実家の家は借地です。
土地の所有者からは、建物を取り壊し、更地にしたうえで土地を返還してほしいと言われています。
維持費だけではない、空き家の本当のリスク

空き家の問題というと、草刈りや家の中の片付けなどを思い浮かべがちですが、問題はそれだけではなかったんです。
最近知ったことが、税金面でした。
3年以内に名義変更をしないとペナルティがあることは知っていましたが、それ以外にも空き家を放置することで起こりやすいリスクには、次のようなものがあります。
固定資産税が大幅に上がる可能性がある
2023年12月の法改正により、家がボロボロでなくても、管理が不十分と判断され「管理不全空家」に指定されると、住宅用地の特例が外れ、固定資産税が最大で約6倍になる可能性があります。
『空き家放置で税金6倍!?知らなきゃ損する「割引没収」のカラクリ』
空き家を壊すと税金が上がる…実はそれ、もう昔の話かもしれません。
今は「放っておいても税金が跳ね上がる」時代になりました。
分かりやすく説明すると、
1. 今は「83%OFF」の特売中
実は、家が建っている土地の固定資産税は、国のルールで「1/6」に軽減されています。
つまり、私たちは今、約83%引きの特売価格で税金を払っている状態なんです。
2. 放置すると「割引チケット」が外れる
ところが、空き家を放置して管理が不十分と判断されると、自治体から指導が入り、この「1/6の軽減措置」が外れてしまいます。
3. 「セール終了」=「税金が6倍」
割引が外れるということは、これまでの“特売価格”ではなく、本来の税額で支払うということ。
今まで1万円だった税金が、6万円になることもあります。
これが、よく言われる「固定資産税6倍」の正体です。
放置しても、いずれ特例が外れて税金が上がる。
解体しても、同じく土地の税金は上がる。
そうであれば、近所の目を気にしながらボロボロの家を持ち続けるより、早めに決断してスッキリさせるほうが、家計の面でも気持ちの面でも楽だと感じました。
名義変更を放置すると過料の対象になる
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に名義変更をしないと、10万円以下の過料を科されることがあります。
「誰が相続するか決まっていない」では済まされなくなりました。
火災保険などが使えない場合がある
人が住んでいない家はリスクが高いと判断され、保険の継続を断られたり、条件が厳しくなることがあります。
もし、空き家の保険に入れたとしても、通常よりも保険料が高額になる。
万が一の事故が起きても、補償されない可能性があります。
近隣トラブルにつながりやすい
雑草や庭木の繁茂、建物の傷みは、周囲から「管理されていない家」と見られやすく、クレームや関係悪化の原因になることがあります。
所有者として損害賠償を求められる恐れがある
台風や地震で屋根や外壁が崩れ、他人の車や人に被害を与えた場合、所有者は責任を問われる可能性があります。
保険が切れていると、すべて自己負担になります。
借地の義実家でもリスクはある

義実家の借地の場合は、どうかというと、もし放置して荒れ果てた状態なってしまい、地主さんに『税金6倍』の迷惑をかけたりしたら、借地の金額を上げられてしまうリスクがあります。
借地だからこそ、関係がこじれる前に『きれいに管理して、早めに更地にしてお返しする』のが、一番安上がりで賢い解決策なんだと痛感しました。
年明けに、相方から親戚に話をしてもらう方向で動いています。
さいごに

家のことって、どうしたらいいのか分からないからと後回しになりがちです。
毎日の生活で精一杯で、「今すぐ困っていないこと」には、なかなか手が回りません。
私もそうでした。
空き家の管理は「とりあえずやれているし、今は大丈夫」。
そう思いながら、気づけば時間もお金も少しずつ出ていく状態が続いていました。
今回あらためて感じたのは、空き家は“お金の問題”というより、“家計の判断”に近いということです。
もったいない気持ち、親戚への気遣い、将来への不安。
その全部を抱えたまま、ずっと管理を続けるのは、正直しんどい。
だからこそ、「いつか」ではなく「今どうするか」を一度整理する。
それだけでも、気持ちはずいぶん軽くなります。
この記事が、同じように悩んでいる方が家計と暮らしの目線で考えるきっかけになれば嬉しいです。
※この記事は私の体験をもとに作成しています。空き家に関する法的な扱いや税金の詳細は、自治体や家の状況によって異なる場合があります。 実際の手続きにあたっては、実際の手続きについては、お住まいの市町村で確認してみてください。
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