投資の世界の残酷な現実|外野はいつだって「あなたの不安」を食べて生きている
新NISAで投資を始めて、3年目に入った今年。
スマホを開くたびに、こんな言葉を見かけるようになります。
「株はもう終わりだ」
「大暴落が来る」
「今すぐ金を買え」
そして、画面の中の資産は少しずつ、あるいは急に減っていく。
浮かんでくる不安

すると頭の中に、こんな考えが浮かびます。
「このまま続けて大丈夫なのだろうか。」
もし今、積立停止ボタンや売却ボタンに手を伸ばしかけているなら、
少しだけ立ち止まってください。
この記事は一攫千金を狙う投機の話ではありません。
あなたが全世界株式(オルカン)・S&P500といった
長期・分散・低コストという王道の投資を信じて、コツコツ積み立てている場合に限った話です。
王道を歩んでいるはずなのに、なぜ今、その道を捨てたくなるのでしょうか。
その理由は、多くの投資家が経験する「魔の3年目」という時期にあります。
そしてもう一つ。
投資の世界には、あまり語られない残酷な現実があります。
残酷な現実

それは―
外野はいつだって、あなたの不安を食べて生きている
ということです。
SNSやYouTubeで流れてくる「暴落の予言」や「投資信託はオワコン」という刺激的な言葉。
それらを発信している人たちは、あなたの資産を守りたくて叫んでいるのではありません。
人間は、幸せなニュースよりも「恐怖」に強く反応するようにできています。
あなたの不安が大きくなればなるほど、彼らの動画の再生数は伸び、投稿のインプレッションは跳ね上がります。
恐怖は、いつの時代も一番よく売れる商品だからです。
さらに言えば、その「警告」の最後をよく見てください。
特定の口座開設や、何かの商品を紹介するリンクが貼られてはいませんか?
彼らにとって、あなたの焦燥感は格好の収益源にすぎない。
あなたが恐怖に負けて「積立停止ボタン」を押したとしても、そのせいで将来手にするはずだった複利の果実を取りこぼしたとしても、彼らは一言も謝りません。
誰も、あなたに対して責任は取らないんですよ。
これが、投資の世界の冷徹なルールです。
「大丈夫、持ち続ければ報われる」という優しい言葉も、「今すぐ逃げろ」という脅し文句も、結局は他人の言葉。
資産が30%溶けるような本当の地獄が来た時、その孤独な数字と向き合い、震える手でボタンを押さずに耐え抜かなければならないのは、画面の前にいるあなた一人だけなのです。
だからこそ、今こそ自分に問いかけてみてください。
あなたが信じたのは、スマホの中で騒ぐ「誰かの予言」でしたか?
それとも、人類の経済成長という「歴史の証明」でしたか?
10%の下落で驚かないでください。本当の試練はその先にあります
今、画面の数字を見て資産が減っていると感じている方もいるでしょう。
しかし、投資の世界では10%前後の下落は「調整」と呼ばれることが多いのです。
本当に覚悟が必要なのは30%以上の大きな下落です。
想像してみてください。
3年かけてコツコツ積み上げ、100万円になった資産が、数週間のうちに70万円になる。
あるいは1,000万円が700万円になる。
これは、長期投資の歴史の中では決して珍しい出来事ではありません。
30%の谷の先にあるもの
歴史を振り返ると
世界恐慌
ITバブル崩壊
コロナショック
など、30%以上の暴落は何度も起きてきました。
しかし、その後市場は回復してきました。
市場に残った人
積立を続けた人
あるいは静かに持ち続けた人
そうした人たちだけが、回復の恩恵を受けてきました。
外野が騒がしい今、私自身が徹底している方針は3つだけです
「守り」の土台を崩さない全財産を市場にさらすような無茶はしません。
個人向け国債などの「無リスク資産」を確保し、土台を固めているからこそ、30%の暴落さえも「想定内」と笑っていられます。
暮らしを「軽量化」しておく生活そのものをコンパクトにし、維持費を下げておく。
身の回りのものを軽く、シンプルにしておくことで、資産の変動に一喜一憂しない「心の余裕」が生まれます。
決めたルーチンを、淡々とこなすだけ洗濯機の掃除をスケジュール通りにこなすように、投資もただ決めた通りに続ける。
嵐が来たからといって、慌ててハンドルを動かす必要はありません。
最後に

もし、どうしても不安が消えないなら。
私が大切にしている、インデックス投資の父のこの言葉をあなたに送ります。
「何もしないことが、投資における最大の知性である。市場という迷路で右往左往するな。ただ、居座り続けなさい。」
—— ジョン・C・ボーグル(インデックスファンドの父)
今日だけはスマホを閉じて、チャートも見ず、SNSも開かず、大切な家族と、美味しいものでも食べに行きませんか。
市場に居続けるために必要なのは、最新のニュースではありません。
「何もしないという勇気」です。
あなたの投資信託は、あなたが寝ている間も、迷っている間も、人類の経済活動とともに静かに動き続けています。
それを信じて、今日はもう―おやすみなさい。
