【実家じまい】アスベスト検査を実施。「分析しない」というプロの判断が合理的だった理由
実家(義実家)をどうするか……。
前回の記事では、解体工事について相見積もりを取った段階までを書きました。
解体業者を紹介してくれたプロに相談したところ、「まずはアスベスト検査を行い、その結果を見たうえで、どの業者に依頼するかを最終的に判断しましょう」という流れになりました。
相見積もりをした業者の中で、アスベスト検査の金額が比較的安かった業者があり、検査については、その業者の方にお願いすることにしました。
図面と実際の家を、プロと一緒にじっくり確認
検査当日、私たちは立会いをするために、県外から朝一番の電車で移動し、駅から30分以上歩いて現地へ向かいました。
約束の時間になると、アスベスト調査の担当の方が現地に来てくれました。
当日は、アスベストの資格を持った方が、2人での訪問してくださいました。
まず行われたのは、事前説明の後に、メールで送っていた図面などの資料と、現地の状況を照らし合わせる確認作業でした。
その上で、アスベストが使われている疑いのある建材と、使われていない建材の選り分けを行っていきます。
当初は30〜40分ほどと聞いていましたが、境界のことやブロック塀、水道メーターの所有者や残置線の撤去など、あれこれ話しているうちに、結果的には1時間30分ほどかかりました。
検体は外壁のみ、という判断に
最終的な検体の採取は、外壁の一部分から、調査に必要な最小限の量を採取する形でした。
私が初めて知ったのは、家の外壁すべてが対象になるわけではないという点です。
リフォームの履歴などを踏まえると、疑いのある範囲は思っていたほど広くありませんでした。
もし、この検査でアスベストが検出された場合は、該当箇所について追加の工事が必要になります。
知っておきたい「アスベスト調査」のルール
なぜ今、ここまで厳しく調べるのか。
ポイントになるのは、2つの年です。
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2006年(平成18年)以前の建物
この年にアスベストの使用が全面禁止となり、それ以前に建てられた建物では、解体前の事前調査が必要です。 -
2021年(令和3年)4月
解体や改修工事の前に、アスベストの事前調査そのものが法律で義務化されました。 - 2023年10月からは有資格者による調査が必須となり、現在はプロの判断による、より厳密なチェックが求められています。
今回の調査では、図面と現地を照らし合わせながら、家全体をくまなく確認していました。
その中で、リフォームした年代や内容についても質問があり、建材の判断材料にしている様子でした。
「検査しない」という選択肢があることを初めて知った
担当者さんからは、「ここは範囲が狭いので、検査代をかけるより、最初から“石綿がある前提”で安全に処理した方がいいですよ」という説明がありました。
その時は「そういう考え方もあるんだな」くらいに受け止めていましたが、後から調べてみて、「みなし」という方法だと知りました。
みなしにすると、処分の費用そのものは「アスベストあり」の単価になります。
ただ、検査をしない分、数万円の分析費用が発生せず、「検査代+工事代」ではなく、「工事代だけ」に整理されるという違いでした。
我が家の場合は範囲が限られていたため、そのほうが判断しやすく、結果として納得できる選択になったと感じています。
分析代はかかりませんが、調査報告書の作成や行政への届け出は、きちんと行われます。
「調べない」のではなく、最初から“石綿あり”として、ルール通りに進めるという位置づけでした。
これはすべての人に当てはまる正解ではありません。
アスベストが疑われる範囲が広い場合は、検査をして「なし」という結果が出たほうが、工事代を抑えられるケースもあります。
自分の家の場合はどちらが合っているのか。
現場を見たうえで、費用と安全の両面から説明してくれる人と相談することが、いちばんの近道だと感じました。
この説明を聞きながら、ふと思ったことがあります。
家の中を片付けたおかげで

家の中を、全て片付けておいて本当によかったというのが本音でした。
もし室内が物であふれたままだったら、建材を確認するたびに荷物を動かし、選り分けながらの調査になっていたはずです。
そうなると、作業時間はおそらく倍以上かかっていたでしょう。
実際に立ち会ってみて、調査をスムーズに進めるための大事な準備でもあり、工事費用も抑えられる事前準備だったと実感しました。
検体数と金額
当初は、「状況によっては 2〜3検体必要になるかもしれません」と言われていました。
検体を1つ増やすごとに費用がかかるため、正直なところ、どこまで増えるのか少し不安もありました。
実際には、家の中を一通り確認したうえで室内の疑わしい箇所は「みなしで対応」する判断となり、検体採取は、外壁の1検体のみで済むことに。
今回の検査費用は1検体あたり2万円。
他の業者では1検体4万円という見積りだったこともあり、半額で検査できたことになります。
現地をきちんと見たうえで、切り分けてくれたからこその結果だと感じています。
実家じまいは、まだまだ途中です

最初は、「鍵を送ってもらって、立ち会いなしで進めることもできますよ」という話もありました。
ただ、実際に調査を受けてみて感じたのは、やはり立ち会って、細かいところまで一緒に確認していくことは大事だということです。
現地で図面を広げながら、「ここは当時のまま」「ここはリフォーム済み」と一つずつ確認することで、調査の内容や判断の理由も、その場で理解することができました。
また、私は当日の様子を写真や動画でも記録し、資料として残すようにしています。
その場では分かったつもりでも、あとから見返したり、別の業者さんに説明したりする場面は必ず出てくる。
そう考えると、自分用の記録を残しておくのは、後々かなり助けになると感じています。
現時点では、解体業者はまだ最終決定していません。
今回のアスベスト調査の結果を踏まえて、これから改めて見積もりを出してもらい、判断していく予定です。
正直、ひとつ終わるたびに「次はこれか…」という気持ちにもなりますが、こうして一つずつ整理して進めていくしかないのだとも感じています。
これから実家じまいを考える方へ
今回、実際にアスベスト検査に立ち会ってみて、
図面や資料が残っていれば、早めに共有しておくこと
とはいえ、古い家の場合、そもそも図面が残っていないケースも多いという話も出ていました。
私たちの場合は、たまたま図面や資料が手元にありましたが、必ずしも、すべての家で同じように揃っているわけではないのだと思います。
今回の調査では、図面と現地を照らし合わせながら一つずつ確認していく形でしたが、家の状況によって、確認の進め方も変わってくるのだろうな、と感じました。
費用をできるだけ抑えたいという立場を理解したうえで、その中で現実的な選択肢を提案してくれる人かどうか
このあたりは、思っていた以上に大事だと感じました。
事前に知っているかどうかで、当日の受け止め方や安心感は、かなり違ってくると思います。
実家じまいはまだまだ始まったばかりですが、同じような立場の方にとって、何か一つでも参考になる部分があればうれしいです。
