わが家の宗派は、浄土真宗です。 仏事については非常にデリケートな内容ですし、考え方には賛否があるかもしれません。

この記事に書くのは、あくまで「わが家の場合」のお話です。その前提で読んでいただければと思います。

法要はするしない?判断の背景にあった、住職の教え

義実家の片付けを業者さんに依頼した際、お仏壇だけは手をつけずに残していました。

解体まではそのままにする予定だったので、中に入っていた書類を整理しただけで、ずっとそこにあったのです。

いよいよ解体が現実味を帯びてきたとき、このお仏壇をどう扱うべきか、改めて親族間で話し合いを始めました。

正直に言えば、私たちは「仏壇じまい=魂抜きや閉眼供養をするもの」という漠然とした認識しか持っていませんでした。

浄土真宗に「遷座(せんざ)法要」という考え方があることすら、調べるまで知らなかったのです。

振り返れば、最初のきっかけは義父の葬儀の際、住職から聞いた言葉でした。

「魂は、お仏壇にもお墓にもいません」

それまで「そういうものだから」と深く考えずに受け止めていたお仏壇や供養の意味が、住職の言葉、そして自分たちで調べる過程を経て、少しずつ変化していきました。

今回改めて相談した際も、住職は「法要をするかしないかは、最終的にそちらで決めていいですよ」と、私たちの判断に委ねる姿勢でした。

親族と激しく議論したというよりは、知らなかったことを一つずつ学びながら、今の自分たちにとって「無理のない選択」を重ねていった…という感覚に近いかもしれません。

結果として、我が家ではお仏壇をどこかへ移すのではなく、家屋の解体にあわせて処分することに決めました。

特別な法要は行わず、自分たちなりに納得のいく区切りをつける。それが、今の私たちが選んだ形です。

ご本尊(掛け軸)に対する、住職の譲れない一線


住職は、仏壇という「箱」の処分については、私たちの意向を尊重してくださいました。

ただ一点だけ、明確に示された「一線」がありました。

それが、お仏壇の中央に祀られている「阿弥陀仏の掛け軸(ご本尊)」の扱いです。

義母の話で、自宅にお経をあげに来ていただいた際も、住職は、このご本尊が本来あるべき場所にあるかどうかを、非常に重んじていたそうです。

お仏壇そのものが立派かどうかよりも、そこに敬うべき存在(仏様)がいらっしゃるかどうか。

そこが、住職にとって最も大切なポイントなのだと感じました。

今回の仏壇じまいの相談でも、住職からは、次のように念を押されました。

「ご本尊(掛け軸)は返却はしなくていいが、取り外していただき、解体と一緒にゴミとして捨てるのだけはやめてほしい」

お仏壇本体の処分については柔軟であっても、ご本尊に向ける敬意だけは、別のものとして大切にされているのだと感じました。

その住職の姿勢は、今回の判断を考えるうえで、私たちにとって一つの目安になりました。

わが家では、この住職の言葉をしっかりと受け止め、掛け軸については敬意を持って、適切に整理するつもりです。

信仰心よりも、「想い」に寄り添うということ


正直なところ、私たちは、宗教的な教えを信じているわけではありません。

相方の話を聞くと、祖母も両親も、先祖供養にはとても熱心だったそうです。

私にとっての仏壇じまいは、何かを信じるための儀式ではなく、「大切に思っていた人たちが、大切にしてきたもの」を、最後まで丁寧に扱うための区切りでした。

自分が信じているかどうかは別として、先人たちの想いに敬意を払い、それに従う。

それが、今の私なりの「納得の形」なのだと感じています。

形としてのお仏壇はなくなります。

けれど、親族と話し合い、住職の言葉を受け止め、一つひとつ丁寧に向き合ってきた、そのプロセスこそが、これからの私たちにとっての、新しい「心の拠り所」になるのかもしれません。

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