師走に入り、何をやろうと思いますか。

「来年の運勢を占う」や「大掃除の計画」を立て始めたりしてますか。

私も数年前までそうでした。

しかし、本当に今、私が向き合うべきものは、占いでも大掃除でも片付けでもありません。

その前段階にある、人生の土台──「お金のこと」だったのです。

突発的な出費が私に教えてくれた真実


人生は、なかなか思い通りにいかないことも多いものです。

そして、「今のままがずっと続く」ということも、実はありません。

少しずつでも、変化は訪れるものです。

それは、ここ数年の経験が痛いほど教えてくれました。

親のこと、義実家のこと—。

予期せぬ出来事によって、数万円から数十万円単位の出費が、本当に突然、そして立て続けにやってきたのです。

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そのたびに、家計のバランスが崩れ、漠然とした不安に苛まれました。

人生に「まさか」はつきもの。

未来をコントロールすることは不可能ですが、この経験から一つの確信を得ました。

未来は思い通りにはならないけれど、準備だけはできるということを。

斧を研ぐ時間が、あなたの未来を守る


アメリカ合衆国の第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉で、

「木を切るのに6時間もらえるなら、最初の4時間を斧を研ぐことに使う」

木を切るという「実行」の前に、「準備」に圧倒的な時間をかける。

これが成功の秘訣だというのです。

私たちにとって、年末の大掃除や片付けは、いわば「木を切る作業(実行)」かもしれません。

しかし、優先すべきは、この言葉でいうところの「斧を研ぐ時間」ではないでしょうか。

年末こそ「お金の斧を研ぐ時間」を追加しよう

私が年末にやるべきことだと腑に落ちた「お金の斧を研ぐ」作業、すなわち「お金のリバランス(調整)」とは、具体的な行動に落とし込むと以下の3つです。

1. 防御力を点検する(緊急予備資金の見直し)

突発的な出費に備える「緊急予備資金」は、今、確実に確保できていますか?

最低でも生活費の3〜6ヶ月分、不安が大きい方は1年分を目安に、すぐに引き出せる口座に確保されているか確認。

これが、斧でいうところの「刃こぼれがないか」のチェックです。

2. 全資産を棚卸しする(家計と資産の可視化)

銀行口座、証券口座、保険、ポイント…すべてを一覧にする時間を取りましょう。

自分が持っている「お金の全体像」を把握しなければ、戦略は立てられません。

収入と支出の年間傾向を振り返り、「まさかの出費」のカテゴリーにどれくらい費用がかかったかを明確にすると、来年の対策が見えてきます。

3. 投資の配分を見直す(未来への戦略的準備)

NISAやiDeCoなどの非課税制度を最大限活用して投資をしている場合、目標とリスク許容度から見て、現金の比率や投資商品の配分(アロケーション)が適切かを確認し、崩れたバランスを元に戻すリバランスを行います。

4. 節約方法を見直す(固定費の徹底メンテナンス)

日々の節約努力も大切ですが、年末は「固定費」にメスを入れる絶好の機会です。

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一度見直せば、来年一年間、自動的に節約効果が継続します。

これは、斧の切れ味を維持するための最も効率的なメンテナンスです。

さいごに

最高の準備が、最高の安心を生む。

人生の突発事態は避けられません。

しかし、この年末、たった数時間でも「お金の斧を研ぐ」時間に集中することで、来年もし何かが起こったとしても、冷静に、そして力強く「木を切り倒す(対処する)」ことができるはずです。

最高の安心は、占いでもお守りでもなく、最高の準備から生まれると私は思います。