最近、母は市内で引っ越しをしたのですが、その退去手続きの中で、思いがけないトラブルが起きていました。
その話を聞いたのは、母と姉と私の三人で出かけた温泉旅行の最中でした。
引越し作業が大変だったとは聞いていたのですが、内容を聞くほど、母が思わぬトラブルに巻き込まれていたことが分かりました。
退去は不動産会社が連絡しておきます
退去した集合住宅は、建物を管理する会社(管理会社)と、契約時の窓口になった不動産会社(仲介業者) が別の会社でした。家賃は前払いの口座振替です。
たまたま今回の引っ越し先も、以前の住居を仲介したのと同じ不動産会社だったため、母は退去の連絡について担当者に数回確認したそうです。
そのたびに返ってきたのは「こちらで連絡しておきます。鍵は交換なので、全て処分していいですよ」という返事だったそうです。
ということで、母は安心して新居の契約を済ませ、引越しの準備で忙しく、通帳の記帳を後回しにしていました。
そして、引越しから2ヶ月後、記帳をしてみると、前の家の家賃が3ヶ月分(新居の家賃と二重で)引き落とされていたことに気づきました。
驚いた母はすぐに不動産会社へ行き、「前の賃貸の家賃が引き落としされています。退去の連絡はしてくれるとおっしゃいましたよね?」
と確認したところ、担当者からは「そのようなことは言っていません」と否定された、という流れです。
なお、その不動産会社は個人経営のため、契約時も担当者が1人ということが多い会社です。
結果は
私以外の親族がすぐに不動産会社へ話をしに行ったのですが、最終的には「言った・言わない」の水掛け論になってしまいました。
母は高齢ではありますが、頭はしっかりしており、記憶力にも問題はありません。
そして実際には、母が持っていた契約書の中を私が確認したら、「解約の申込方法」についての記載がしっかり存在していました。
さらに、契約書とは別に渡された説明用紙にも、同じ内容が明記されていたのです。
しかし、引越しの準備で慌ただしく、契約書に目を通す余裕がなかった母は、その重要な部分を見落としていました。
また、母自身が「何度も引越してきたから大丈夫」と経験に頼ってしまい、退去連絡を不動産会社に任せてしまったことで、確認すべきポイントが抜け落ちてしまったのだと思います。
「人任せにしてしまった側にも責任がある」──今回の出来事は、そのことを強く考えさせられるものでした。
どうすべきだったのか?(退去トラブルを防ぐための対策)
「どうすれば防げたのか?」と考えてみると、実はどれも難しいことではありません。
ほんの少しの確認で、今回のトラブルは避けられたはずです。
1. 退去に関しても契約書を必ず読むこと。
契約書には「退去の申込方法」「連絡先」「期限」が必ず書かれている。
封筒ごと捨てない・紛失しない。
引越しのバタバタで後回しにすると、今回のように見落とすリスクが高くなる。
契約書は “賃貸借人のルールブック” です。最初に読むことこそ、いちばんの自己防衛になります。
2. 退去の連絡は人任せにしない。
仲介不動産は契約時の橋渡し役。
退去の連絡は管理会社(または貸主)に直接行うのが原則。
「伝えておきます」などの口約束は、記録に残らないためトラブルの元。
電話などではなく、必ずメール+契約書記載の窓口へ自分で連絡する。
人任せにすると、「言った・言わない」の水掛け論が起きやすい。
3. 不安なら、知り合いや親族に必ず聞いてみる。
高齢になるほど、契約の文字の小ささや専門用語の多さで理解が難しくなる。
「ちょっと見てほしい」と周りに頼むだけで、重大な見落としを防げる。
特に退去の連絡や鍵の返却方法は失敗できない部分。
一人で抱え込むより、誰かと一緒に確認することが最強の自己防衛。
そしてまだ続く退去トラブル
今回の家賃について、不動産に詳しい人にも相談したり、私も他の機関に相談しましたが、やはり証拠がないため今回は泣き寝入りです。
家賃の件は、この時点で完全に終了しました。
しかし、ここからが本番でした。
次に待っていたのは、管理会社との “退去トラブル・立会い編” です。
